RIPASSO COFFEE(リパッソ・コーヒー)とは、リパッソワインを作るように、ワイン醸造の際に出るぶどうの搾かすを用いて、スペシャルティコーヒーの生豆を数週間熟成し、その後焙煎したコーヒーです。
Grape : Pinot Gris @Fattoria AL FIORE
Coffee : PERU Mango pampa @Kuriya Coffee Roasters
私たちの暮らす宮城県川崎町には、「Fattoria AL FIORE」という素晴らしいワイナリーがあります。Al FIOREのオーナー、スタッフとは友人として、いえ家族のように仲良くさせていただいております。
AL FIOREのワインは、葡萄生産者に寄り添い、育てられた葡萄を大切に、そのぶどうの持つ個性やテロワールを大切にし、酸化防止剤などの添加物を一切入れずに、葡萄と愛だけでワインを作っています。その姿は、我々コーヒー業界の者にとって、とても親和性があり、見習うべきものが多いのです。
そして、Fattoria Al FIOREは、自ら開墾した畑で葡萄を育て、数年間の努力を経て、ついに今年、初めて自社畑で育てたブドウでのワイン醸造を行うことができました。
この度、AL FIORE様のご好意により、醸造の際に出るぶどうの搾りかすを譲り受けました。元になるのはピノグリ(Pinot Gris)、オレンジワインの原料とするため、3週間醸して絞ったものをいただきました。
その搾りかすにコーヒー生豆をサンドし、約3週間熟成すると、ぶどうの成分を生豆が吸収し、水分量も増えることで、ふやけて粒径も大きくなります。このタイミングが焙煎のしどきですが、見極めが難しい。また、成分の吸収が均質に行われるように、適宜撹拌する必要もあります。そのため常に観察が必要です。またコーヒー豆は通常の生豆とは異なる成分になるので、焙煎は特別仕様のプロファイルとなります。
3週間かけて1回分の焙煎しかできないので、コーヒーの生産量は自ずと限られます。つまり超限定のコーヒーです。
その風味は、暖かい時に感じるウイスキーやラムのような洋酒の風味に始まり、オレンジラインや赤ワインの風味、レモンやぶどうのフルーツ感も加わり、まるでサングリアのよう。そして極めてクリーンでスイート。
発酵したピノグリの持つ個性と、元来フルーティなコーヒーである「ペルー・マンゴーパンパ」の融合によるワイニーでフルーティでコンプレックスな風味となっています。
Whisky, Rum, Orange wine, Red wine, Sangria, Lemon, Grape, Cacao, Clean, Sweet…
今回(2024秋)は、葡萄がピノグリ、コーヒー豆がペルー・マンゴーパンパでしたが、今後は、異なる葡萄やコーヒー豆を試す予定です。
なお、リパッソ・コーヒーの製造は、ワイン醸造のスケジュールに寄りますので、秋〜冬の限定生産となります。