コーヒー豆の包装について(改)

コーヒー豆の包装方法について考え直しました。

これまでは、二酸化炭素と酸素を吸収するコーヒー用エージレスを用いることで密閉した無酸素状態を作り出し、長期保存を可能としていました。

しかし、エージレスの二酸化炭素吸収能力は非常に高く、しばしば包装袋が低圧となりすぎる状態でした。

焙煎したコーヒー豆は、その細胞内に二酸化炭素のみならずアロマの元となる揮発成分を含んでいます。低圧条件下では、揮発成分をコーヒー豆から吸い出してしまう恐れがある事に気づきました。

理想は、コーヒー包装袋内の気圧が1気圧程度であり、なおかつ袋内が無酸素状態である事です。

そのような状態を作るために、次の方法を採用しました。

  • コーヒー豆を焙煎後、すぐにコーヒー用エージレスとともに袋内に入れ密閉保存する。
  • 72時間後1に封を開け、コーヒー豆包装袋に入れ直し、脱酸素エージレス(酸素は吸収するが二酸化炭素は吸収しないもの)を入れ、密封する。

この方法により、一定の気圧下で無酸素の密閉状態が実現できる事になります。

当店のコーヒー豆は、より風味の良い状態で長期保存が可能となります。お客様におかれましては、安心して当店のコーヒーをお買い求めいただきますようお願い申し上げます。

なお、コーヒー豆の保存方法についての当店の見解は次のとおりです。

  • 直射日光が当たらず気温変化の少ない場所での常温保存がおすすめです。
  • 未開封であれば、焙煎後半年間は十分な品質を保っており美味しくお飲みいただけます。
  • 一度開封した場合は、コーヒー豆の酸化を止めることはできませんので、お早めにお飲みください。
  • 特にグラインダーで挽いた粉の状態のコーヒー豆は、空気に触れる断面積が格段に大きいので、酸化が早まり、風味の劣化が進みますので、ご注意ください。
  • 冷蔵庫、冷凍庫での保存を否定することはしませんが、酸化の速度がゆっくりになるだけで、防止することはできませんので、万能ではない事に留意すべきです。
  1. 72時間の根拠は、浅煎り焙煎において焙煎後のdegassing(二酸化炭素の放出)は、焙煎後急激に放出されその後徐々に減少しつつもしばらく継続するという知見から、概ね72時間で密封しても問題ないと判断したからです。degassingの時間は、コーヒー豆の品種や焙煎度によって異なるようです。これについてはもっと勉強する必要がありそうです。 ↩︎

aillio Bullet R1について

「aillio社のBullet R1 Roasterを購入しようと思うのですが・・・」という相談がけっこう多いです。

なにしろ焙煎機としては破格の安さ(50万円程度)ですから、初期投資を抑えたい人にとってはありがたい焙煎機です。それに、付帯設備として200vの電気工事と換気扇さえあれば稼働できますので、ガス配管工事や煙突工事費が必要な従来の焙煎機に比べて大幅にハードルが低いのです。そして、先進的で高度な機能と極めて高い再現性、そして容易な操作は他の小型焙煎機とは比較にならないほどです。

ただ、Bullet roasterの構造と特徴を理解した上で購入しないと、その素晴らしい機能を使いきれないかもしれません。

多くの方が勘違いしやすいポイントは、「Bullet Roasterは半熱風式焙煎機ではない」ことと、「放射温度計IBTSの使い方」、そして「排気の構造」かと思います。

これらの詳しい話を聞きたい方は、ぜひKuriya Coffee Laboに来てください。トレーニングの「初心者コース」で、その詳しい説明と、実際の操作方法と考え方をご指導いたします。

焙煎度について

当店のコーヒーは「浅煎り」ですが、正確な焙煎度を測定するために「Lighttells社 CM100」を導入し、測定しています。

CM-100は、焙煎したコーヒー豆の色指数( Agtron Gourmet Scale )を測定することで、コーヒー豆の焙煎度を数値的に測定します。

また、焙煎豆を豆のままの状態で表面の色を測定する場合 ( whole bean )と、挽いた状態で測定する場合( ground )があります。

コーヒー焙煎においては、コーヒー豆の表面から中心に向けて熱が伝達するため、与えられる熱量は、表面部の方が多く、中心部の方が少なくなります。つまり焙煎豆の表面と中心部では焙煎度に差があると考えられます。

つまり、挽いた状態のAgtron数値は、表面〜中心の全ての状態の平均的な焙煎度を表していると考えられます。

豆のままの状態と挽いた状態との両方の数値を測定することで、「コーヒー豆を断面的にどれだけ均質に焙煎できているか」、「中心部が生焼けになっていないか」、もしくは「どれだけ焙煎度に差がある焙煎ができているのか」を評価できると考えています。

当店のコーヒー豆の色指数( Agtron Gourmet Scale )については、COFEE BEANS STORE 内の各ページに記載してあります。

SCAA Gourmet ResultCommonSCAA Names
91<= Gourmet# < 100LightExtremely Light
81<= Gourmet# <90CinnamonVery Light
71<= Gourmet# <80MediumLight
61<= Gourmet# <70HighMedium Light
51<= Gourmet# <60CityMedium
41<= Gourmet# <50Full CityMedium Dark
31<= Gourmet# <40FrenchDark
0<= Gourmet# <=30ItalianVery Dark
焙煎度名称とAgtron Gourmet Scaleの関係

コーヒー豆の包装について

当店のコーヒー豆の包装には、「コーヒー用エージレス」を使用しています。

私たちが「コーヒー用エージレス」を利用する理由は次の通りです。

焙煎したてのコーヒーは、その後しばらくの間、二酸化炭素を発生し続けます。そのため密閉保存できないとされており、その代わりにバルブ付きの保存袋がよく使われています。バルブ付きの保存袋は、非常に有効なものではありますが、完全密閉できているわけではありません。

コーヒー用エージレス」は、酸素とその10倍の二酸化炭素を吸収します。そのため、焙煎したてのコーヒー豆と一緒に封入すると、コーヒー豆から発生する二酸化炭素を吸収するため、完全に密閉しても膨らんだり破裂することがありません。

また、コーヒー豆は焙煎直後から酸化が始まり風味の劣化が始まります。「コーヒー用エージレス」は、その原因となる酸素をも吸収します。

酸素と二酸化炭素を完全に吸収したとすると、残る気体はほぼ窒素のみとなります。窒素は食品保存に最適の不活性ガスです。つまり、「コーヒー用エージレス」を封入・密閉することで、窒素充填法と同じ効果が期待でき、長期間の保存が可能となります。

当店のコーヒー豆(豆のままの状態に限ります)の賞味期限は、焙煎日より半年間です。未開封であれば、その期間は、風味の劣化なく美味しくお飲みいただけます。

なお、酸素・二酸化炭素を吸収した後は、内圧が減少するため、あたかも真空パックしたかのようになりますが、品質に問題はありません。