説明
RIPASSO COFFEE
リパッソワインを作るように、ワイン醸造の際に出るぶどうの搾かすを用いて、スペシャルティコーヒーの生豆を数週間熟成し、その後焙煎したコーヒーです。
Coffee Beans : PERU Mango Pampa
Grape : Merlot [Rosso] @Fattoria AL FIORE
Roast : Kuriya Coffee Roasters
私たちの暮らす宮城県川崎町には、Fattoria AL FIOREという素晴らしいワイナリーがあり、たいへん親しくさせていただいております。オーナーの目黒浩敬氏のワインそして、ぶどう、その生産者に対する想いや姿勢は、私たちに大きな影響を与えています。
この度、AL FIORE様のご好意により、醸造の際に出るぶどうの搾りかすを譲り受けました。元になるのは山形県高畠町大野農園のメルローです。ワインはいずれ「Rosso」の名で世に出る予定です。
その搾りかすにコーヒー生豆をサンドし、約3~4週間熟成すると、ぶどうの成分を生豆が吸収し、水分量も増えることで、ふやけて粒径も大きくなります。このタイミングが焙煎のしどきですが、見極めが難しい。また、成分の吸収が均質に行われるように、適宜撹拌する必要もあります。そのため常に観察が必要です。またコーヒー豆は通常の生豆とは異なる成分になるので、焙煎は特別仕様のプロファイルとなります。
イタリアでは、ぶどうの搾りかすを再度醸造に活かす手法を「リパッソ」と呼びます。その名にあやかり、このコーヒーを「リパッソコーヒー」と名付けました。 リパッソコーヒーに使用したコーヒー豆は、甘味が強く、トロピカルな印象の「ペルー・マンゴーパンパ」。カップがクリーンで、精製方法がWashedのものを選びました。大事なのは生豆がパストクロップ(2022)であることです。コーヒー生豆は、収穫から年月を経るにしたがって、水分が減少し、焙煎豆の風味も劣化しがちです。しかし、リパッソコーヒーにおいては、ぶどうの成分の吸収が良くなるため、パストクロップであることは、むしろ利点になります。
リパッソコーヒーの風味は、暖かい時に感じるウイスキーやラム、ワインのような洋酒感、その後、コーヒー生豆の特性に由来するフルーツ感が現れます。特に暖かい時に感じる苦味はコーヒー焙煎により生じるカラメル由来のものではなく、ぶどうのタンニンによるものです。搾りかすが赤ワインに用いるメルロー種であるため、タンニンが強く現れます。使用するぶどうの種類を変えることで、この風味は大きく変化します。
通常であれば堆肥にしかならないぶどうの搾りかすと、風味の劣化したパストクロップのコーヒー生豆を利用し、より風味の良いコーヒーにアップサイクルすることで、サスティナブルな取り組みである上に、地域の資源を活用した地域振興にも寄与する取り組みです。
〜Flavor profiles〜
Whisky, Rum, Wine, Sangria, Grape, Orange, Lemon, Grapefruit, Plum, Clean, Sweet








